箱庭的世界 >> 謎のうさぎ飼育記 >> 去勢手術とその後


手術に至る過程

詳しいことは略しますが、なんだかんだあって決断しました。
なんじゃそりゃ!とお思いになりませぬよう(^^;) 去勢や避妊手術の必要性・メリット・デメリット(特に麻酔の危険性)などについては実に様々な説があるようです。これから年頃を向かえるうさぎを飼ってらっしゃるかたは、獣医師のかたやベテラン飼い主のかたのご意見を参考に熟慮して納得のいく決断をなさって下さい。ここに書きますのはあくまで手術の『一例』です。ご了承下さい。

性成熟する前に去勢してしまうと尿道の形成などが未発達になってしまう恐れがあるそうです。うちのタケさんはオスらしい行動を始めたのが月齢8ヶ月頃でしたので(オクテ?)、手術は9ヶ月半になるまで待ちました。しかし完全に性成熟してから日がたち過ぎてしまうと、手術後も飛びシッコなどの問題行動が無くならない可能性が大きいとのことです。時期の見極めは難しそうです。(飛びシッコ改善のために手術するわけではないのですが。)



手 術

●スケジュール
術前2〜3時間絶食 → 昼頃に病院入り、飼い主はいったん帰宅 → 麻酔・手術 → 午後1時半頃、麻酔から覚め始める予定 → 夕方に引き取りに行き帰宅
手術前の『絶食』についても賛否両論あるようです。タケさんがお世話になった先生の方針では「うさぎは胸部が大変狭いため、満腹だとさらに肺が圧迫されてしまうから」という理由により2〜3時間ほど絶食したほうがよいとのことでした。そんな日に限ってタケさんは朝から食欲満点なのですわ。
麻酔導入部分だけでも(できれば手術そのものも)見学させて頂きたいところだったのですが、タケさんを預けていったん病院を出て時間を潰しに行きました。で、予定通り1時半頃に麻酔から覚めて頭を動かし始めたというTELを頂きました。麻酔からの覚醒が一番のポイントだと思ってましたので、楽勝気分で夕方引き取りに行ったのですが…

●術後はホゲホゲ状態
先生に掴まれて奥から出てきたタケさんは、なんと重病の鳥のヒナのようなみじめ極まりない顔をしているではありませんか。麻酔中に開けたままの目の乾燥を防ぐため眼軟膏を塗ったのだそうですが、それが目の回りに付いて毛が湿ってボソボソに逆立っているのでした。史上最悪の不幸とショックに打ちのめされたような虚ろな目つきのタケさん。ううむ、大丈夫なのか!?ダメっぽいぞ!?


●術後の注意事項●

 ◇おしりに牧草など刺さらないようにして、床を清潔に。
 ◇3〜4日で少し腫れるが、出血がなければ来院(消毒)の必要は無し。
 ◇溶ける糸で中を縫ってあるので抜糸の必要も無し。
 ◇麻酔の影響で当日中は体温調節がうまくいかないので、室温24度くらいに保ってやること。
 ◇運動その他は、やりたいようにさせてOK。ただしマウンティングは2週間位ダメ。
  単独カクカクも患部がこすれて出血してしまう恐れがあるのでダメ。



●使用麻酔と投薬と費用
麻 酔  注射:キシラジン、ケタミン
     吸入:イソフルラン
投 薬  抗生物質:パルミチン酸クロラムフェニコールシロップ
     (通称クロマイ。5日分。すべて飲みきらないと効果が無い。)
薬はシリンジで飲ませます。先生に教えて頂いた方法ではタケさんは後方に逃げてしまい失敗したので、人間が背後に正座してうさぎのお尻を腿で挟んで押さえ、覆い被さるようにして与えました。人間は脳天に血が上る体勢です。うさぎは馬ヅラなので、シリンジをちょっとねじるようにして口腔のかなり奥まで入れて飲ませます。
費 用  たぶん一般的な料金。だと思います。



帰宅後の胃腸うっ滞

自宅に戻るとすぐさまトイレに飛び込み「小」を済ませました。そしていかにも疲労困憊といったかんじでドテーッと寝ころんだのですが、いきなり立ち上がって猛烈な勢いで顔を洗い毛づくろいをしてまたぐったりとひっくり返り、妙な様子なのです。夕食の野菜も食べに来ません。口元に持っていくと時々モシャモシャ食べるのですが、すぐにプイと横を向いてしまいます。こんな調子で翌朝まで自分からは何も口にせずトイレにも行かずブルーな状態が続き、フン詰まりになってしまったのでした。

●翌日
仕方ねーな、と思いつつ仕事を午後出勤にして様子を見ました。全く食欲が無いわけではないし胃腸自体に問題があるわけでもなさそうだし「恐怖によるストレスと立腹によるハンストが半分半分くらいだろう」とタカをくくっていたのですが、一向に大も小も出ず変化無し。
さすがにこれはちょっとヤバイか?と思ったものの出勤せねばならぬ時間になり、とにかく会社へ行きがけに病院に電話してみました。去勢手術は頻繁におこなってらっしゃるという先生のご経験上では、今まで術後のトラブルはほとんど無く「心配は無いはず」とのことでした。しかし念のため薬を下さることになったので仕事を定時で切り上げて病院へ直行しました。

●再投薬
・腸管運動亢進剤:メトクロプラミド(商品名プリンペラン)
アリナミン(有効成分:フルスルチアミン。たぶん)
・鎮痛剤:フルニキシンメグルミン
・整腸剤:抗生物質耐性乳酸菌(商品名エントモール散)
(効能は当方調べ。あってると思うんだけどにゃ〜)
1日たてば痛みはほとんど無いはずだそうですが、一応痛み止めも頂きました。
粉薬はバナナやヨーグルトに混ぜるとムラになり完全に飲みきれない可能性があるので、十分に混ぜるか、もしくは水などゆるい液体を使う方が良いそうです。


●抗生物質耐性乳酸菌について●

 腸内環境を整えるための生菌製剤(アシドフィルス菌・フェカーリス菌など)ですが、うさぎに対して効果が認められるかどうかは諸説あるようでいまひとつはっきりしません。
アメリカの家うさぎ協会HPの「うさぎにアシドフィルス菌を」という記述や、現場の「ヨーグルトが効果的だった」という声がありますが、一方で「うさぎの胃酸は強酸なので乳酸菌は失活してしまう」という説もありました。個体によっては効果があるっちゃぁあるかもしれない、というかんじでしょうか… 
先生のご意見では、家で与えるのならばビオフェルミンを砕いたものを。生体由来の乳製品(ヨーグルトなど)は避けたほうがよいのではないか、とのことでした。甘い味付けの製品はやはりダメのようです。
人間の場合ですと、牛乳に対してアレルギーのある人はアナフィラキシー様症状を起こす場合もあるそうです。うさぎの場合は、処方の際に先生からの注意事項は特にありませんでしたし、安心できると考えて良いのではないかと思います。


●再投薬後
帰宅してみると、レモン型やしずく型の米粒大以下のフンが申し訳程度に出ていました。さっそく薬を与えようとしましたが大暴れで七転八倒。こんなに力があるんなら問題なかろうが?
なんとか飲ませて様子を見ると、それまでどんよりしていた目つきが夜中には少しまともになり、食欲も出てきたようでペレットを少し食べ始めました。翌日はフンも小さいながらちゃんと出るようになり、以降はあれよあれよという間に回復していきました。人騒がせな奴です。

去勢の結果としては、オス的行動は収まりました。傷口も全く問題無く治癒したようです。牧草のお試しパックを以前より良く食べるようになりましたがこれは因果関係はわかりません。うっ滞の反動でしょうか(^^;)



結 論

うっ滞の原因は…やはりストレスと積年の怒りでしょう(汗)
思いつく理由としては、

・朝は立派なフンが出ていた。食欲もあった。
・車に乗ると驚きで固まってしまう。
・通院するごとに(知恵が付くごとに)病院が苦手になりつつあった。
・目の周囲に眼軟膏がついてしまい、それが気になるらしく猛烈に顔を洗っていた。

などです。
先生のお話では「うさぎには様々な個性の子が居るので、神経質な子は“痛み”というよりも“違和感”によってストレスを感じてしまうのではないか」とのことです。
では、神経質なうさぎに対してどのような注意をするべきだったか? 体調を壊してしまう可能性を考えて早めに薬を貰っておくとか、先生によく事情を説明しておくとか飼い主が早めに向かえに行くとか…?たいした策が浮かびませんが(T-T)

とはいえ、以上の実例が即、去勢手術の否定に繋がるものではないと私は思っています。(ひどく臆病でパニックを起こすうさぎの場合などを除けば。) 冒頭にも書きましたが、去勢や避妊手術(それ以外の緊急を要さない手術も)を考えてらっしゃるかたはぜひぜひ手術の必要性・メリット・デメリットについて十分に調べたうえで決断なさって頂ければと思います。
また、タケさんのうっ滞はストレス性と思われましたが、内臓のほうに問題のあるうっ滞は対処の仕方が違ってくるはずです。うっ滞の疑いのあるうさぎは早急に診察を受けさせてあげて下さい。

〈この項おわり〉


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