京都単独煩悩紀行 >> 番外編という名の補足・オマケ >> そうだ 東京国立博物館、行こう


● 没後500年特別展「雪舟」

2002年春、東京国立博物館で開催された「雪舟展」に行って参りました。
足跡を年代順に追ったわかりやすい解説が興味深く、雪舟に大きな影響を与えた中国絵師の作品や土産物ショップに至るまで、全部見終わるのに2時間以上かかってしまったのですが。

主な代表作(出品作品)は「四季花鳥図屏風」「天橋立図」「慧可断臂図」「秋冬山水図」「破墨山水図」など。
雪舟は京都との縁の深い人物で、東福寺や相国寺での修行時代があったり、師の師にあたるのがあの妙心寺退蔵院「瓢鮎図」の如拙であったりと、発見するたびに煩悩がくすぐられまくりです。「東福寺伽藍図」や「天橋立図」などの緻密な描き込みのジオラマ的な可愛らしさ(?)にまた煩悩したり。(東福寺の六波羅門は死角になっていて描かれていませんでしたが)

東山山荘(銀閣寺)の襖絵問題 ……「足利義政に襖絵の制作を依頼された雪舟は、それを断って狩野正信を推薦した」という説を以前どこかで耳にしていたので博物館のかたにお聞きしたところ、頂いた回答は「なにぶん、昔のことですから…ねぇ」 そ、それを言ったら身も蓋もないではありませぬか(ToT)

雪舟らしいと言われる代表作はかなり高齢になってからのもので、それまでは中国の絵師を模倣するなど様々な画風の作品を残しています。自分のスタイルは一生かけて模索するものである、人生半ばのうちから焦る必要はない、と暗に諭されているような気がしました。中国(明)に渡った雪舟、すでに50の声を聞こうとする頃でした。

※京都単独煩悩紀行・雪舟寺(芬陀院)のレポートはこちら


▲雪舟作庭と伝わる鶴亀の庭(芬陀院)


BBSより加筆改稿 
● 弘法大師入唐1200年記念「空海と高野山」

2004年5月、「弘法大師入唐1200年記念 空海と高野山」を見てきました。
空海さんといえば高野山と東寺と神護寺と…神泉苑での雨乞い合戦程度しか知りませんでしたが、例によって予習もせずいきなり思い立って行って参りました。ですが大変興味深く面白かったです。

奈良時代の仏教は国家を護るため僧が学ぶ学問としての意味合いが強く、一般民衆からは遠いもので、末期には政治と結びつくなどして腐敗していたようです。
そんなこんなで(?)
空海は唐へ渡り密教を学び、帰国後、嵯峨天皇に認められ高野山金剛峰寺を開いて真言宗を開宗しました。また、桓武天皇も平安京鎮護のために置いた東寺を空海に与えて、真言宗は高野山と東寺を中心に発展することとなります。

空海の教えは「人は誰でも宇宙の真理そのものである大日如来と一体化し仏になることができる」というものです。密教ではその真理は言葉では言い尽くせないため修行によってカラダで会得するのだそうです。妖しげです。またその真理を、仏を配列した絵画で視覚的に表現したのが両界曼陀羅です。(以上、復習の成果でした)

主な展示品は
●お馴染みの空海さんの肖像画
椅子に座っていて、足もとにスリッポンみたいな靴が可愛く揃えられてる。
●空海さん直筆で仏教の教えを説いた「聾瞽指帰
●空海さんの生涯を絵巻にした「高野大師行状図画
●もの凄い細かく美しい細工のレリーフ型仏像「諸尊仏龕

その他、怪しげな密教法具の数々、両界曼荼羅図各種、運慶快慶作の仏像など各種盛りだくさんで、「山の正倉院」と言われる金剛峰寺の寺宝てんこもりといったかんじでした。空海さんに関係なさそうなお宝もどっさりあるようです。ショップで、漬け物石並みの重さの「展示品カタログ」を購入しましたので、忘れた頃に再度見て密教世界を堪能してみたいと思います。

この特別展を見に行った当時、自分は真言宗とはほとんど関わりのない生活を送っていました。というかどの宗派がいいか決めかねており、どちらかというと禅宗が好みでした。何故って、禅寺のおもむきがかっこいいからです(不謹慎きわまりない…) 。

ところがこの特別展の直後に生活が根底から覆される出来事が起き、思いがけず真言宗と関わりを持つことになったのです。信者とか檀家とかになったのかというとそうではないのですが(失礼)、これも何かのご縁と思い真言宗を、また仏教全般をちょこっと勉強してみようと思い立ちました。
「物質面は豊かになった。では心はどうだ?」と問われることの多い昨今、せっかく日本独自の豊かな仏教宗派があるのですから、心のより所とするかどうかはともかく日本人として多少は仏教について知っておいても損はないのではないでしょうか。
などと立派そうなことを考えましたが、なかなか実践は伴わないものなのですよね…(;´△`)
※京都単独煩悩紀行・東寺のレポートはこちら

▲東寺五重塔と桜


BBSより加筆改稿 
● 天台宗開宗1200年記念特別展「最澄と天台の国宝」

2006年5月、「天台宗開宗一二〇〇年記念特別展 最澄と天台の国宝」を見てきました。
最澄さんと言えば比叡山。というかそれ以外はほとんど思い浮かぶものがなかったのですが「空海さんだけ見たのでは不公平かも」という変な動機で行くことに決めました。

最澄は奈良東大寺での修行に不満を抱き、唐へ渡って中国天台宗を学びました。帰国後は桓武天皇に認められ比叡山において日本天台宗の基礎を築き上げることに力を注ぎました。奈良仏教に対抗する形で独自に僧侶を育成する大乗戒壇院を設立し(設立を朝廷に認められたのは最澄没後でしたが)、それ以後多くの大乗仏教僧侶が比叡山で育成されることになります。これがのちの鎌倉新仏教を生み出す原動力となりました。

最澄が開いた日本天台宗の教えは、一切が成仏できるとする一乗説を中心としながら、真言密教・禅・戒律の教えも認めて包含する幅の広さがあります。また、最澄没後には密教化し、空海の真言密教「東密」に対して「台密」と呼ばれていました。(以上、復習の成果でした)

今回は、秘仏や本尊仏の寺外初公開を中心に貴重なお宝が続々。
●上野寛永寺の秘仏本尊の「薬師如来脇侍像
今まで見たことのない直線的な立ち姿と後ろの飾り(光背)にビツクリ。
●空海さんの生涯を絵巻にした「高野大師行状図画
●比叡山横川の「聖観音菩薩立像
片手に蓮華を持ち少し前かがみに腰をくねった姿と表情の美しいこと。
●「天台大師(智ぎ)坐像
中国天台宗開祖であらせられる方なのに、頭のてっぺんに
居眠り防止用の文鎮みたいなものを乗っけてました(笑)
また、この方も最澄さん(伝教大師)も空海さんと同様に
座像の足もとには可愛らしいスリッポンが脱ぎ捨ててあります。
●「是害房絵巻
中国の天狗が比叡山で悪さをしようとしてコテンパンにこらしめられ
日本の天狗に助けられ担架に乗せられて風呂に入れてもらうという話。
●浄土信仰関連で、リアルで迫力ありすぎな「六道絵」(地獄絵)
●同じく浄土信仰関連で、華やかな阿弥陀如来来迎図
●根本経典にあたる法華経(装飾が美しい!)とその信者を守る普賢菩薩各種
●台密独特の両界曼荼羅図密教法具 その他

しかし、留学先の唐で密教を学んだお仲間である空海さんと絶縁することになった理由など肝心な所がまだよくわかりません…(涙)

それと、全然知らなかったのですが4月には声明公演があったようです。自分の花見上洛当日だったようなのでどちらにしろ行かれませんでした。先日ちょうど大原のレポを書きながら声明に興味持ったところだったので聴いてみたかったのですが。残念。

さて次回はどなたの展示会が催されるのでしょう。順序から行くと法然さんなのでしょうか?


▲比叡山の写真が無いので三千院を…

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