箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >> 八重桜 夢の共演・第1日目-1
【第1日目】4月13日 平安神宮三十三間堂
 京都駅
  ↓(地下鉄烏丸線・東西線)
 東山駅
 東山三条バス停
  ↓(市バス)
 京都会館美術館前バス停
  ↓(徒歩)
 平安神宮 
  ↓
京都会館美術館前バス停
 ↓(市バス)
博物館三十三間堂前バス停
 ↓
三十三間堂
 ↓(徒歩)
「七条甘春堂 且坐喫茶」
 ↓(徒歩)
七条京阪前バス停
 ↓(市バス)
京都駅
 ↓(地下鉄烏丸線)
三条通
 ↓(徒歩)
「333(バーバーバー)」
 ↓
ホテル


2006〜7年は記録的な大暖冬でした。
恐ろしいほどの暖かさは3月まで続き、京都では初旬に桃桜・椿寒桜・河津桜・寒緋桜・ふじ桜などが続々と開花を始めたとのこと。「このまま進めばソメイヨシノ開花は3月22日頃か?」という勢いでしたが、直後に発表された気象庁の第一回開花予想日は3月28日。全国的な寒の戻りを予想してのことでした。(しかし地方によっては気象庁が開花日を誤って早く予想しすぎるという珍しいハプニングが!)
実際、しつこい寒気が3月第2週頃から20日過ぎまで居座り続けましたが間もなく気温は上昇、京都では3月25日にソメ開花宣言が出されて早咲き枝垂れ桜なども順調に満開を向かえました。

しかし思ったほど気温の上昇は続かず、市内各地のソメイヨシノ開花は気象台の標本木よりも若干遅れました。異常気象の影響なのか、木によって個体差も大きく、26日〜29日あたりに分散して開花したようです。4月に入り徐々に足並みが揃ってくるかと思いきや、第1週〜2週半ばにかけてまたしつこい寒の戻りがあり、そのため進行はバラバラのまま。一応、平均的なソメ満開日は4月4日前後だったようです。

そして4月中旬、激しく上下する気温の影響でソメイヨシノは運良く長持ちしましたが、紅枝垂れ桜は各地で花付きの良くないものが見られるとのこと。御室桜は「つぼみふくらむ」から「ちらほら開花」まで不安な足踏み状態…
今回はそんなわけわからん混沌の中での上洛になったのです。(序章長すぎ)

上洛当日。寝不足のため前夜早寝して備えたら安堵のあまり熟睡してしまい、2時間寝坊。ありえない…。結局1時間半遅れの新幹線で出発するはめになった。馬鹿すぎる失態でシオシオのパーである。一応、予定の寺社へは全部寄ってみるつもりだがどうなることやら。



 ●平安神宮

(平安神宮の歴史は2003年春の項にあります)

やっぱりここはおさえておきたい! というわけでこの時期に訪れるのは二度目になる。
前回の枝垂れ桜はほぼ満開で初々しい姿だったが、今回は神苑入り口が少し寂しいかんじ。時々吹く強烈な突風に負けて飛ばされる花びらが多く、見頃後半のようである。しかし奥の枝垂れはやはり圧巻のボリュームで見応えがあった。


▲西神苑の紅枝垂れ桜

ちなみに、前回のレポで「こんなアングルで八重桜」と紹介した桜はよく見たら八重ではなかった。八重どころかむしろの「太白(タイハク)」のような一重の花。情けない記憶違いでした…。

白虎池から中神苑の蒼龍池あたりはこの時期見るものはなく通過するのみ。
順路をひたすら進んで東神苑栖鳳池ほとりに出ると様々な品種の桜が出迎えてくれる。満開の一重が目をひくが、ぽってりした八重桜(「関山」かな?)も2〜3分ほどぽつぽつ咲き始めていて可愛らしい。撮影はちょっと構図が難しいかも。柔らかくしなる八重桜の枝が強風に翻弄されてじっとしてくれないので、なおさら難易度が上がってしまった。

栖鳳池の橋殿をバックにした枝垂れ桜はややボリュームが足りないかんじ。突風で舞い上がったホコリで池周囲は霞み、天候もいまひとつなので、あまり華やかな写真が撮れず少々物足りなさが残ってしまった。

のんびりしていると寝坊のツケがどんどんたまってくる。次の目的地はせっかく超久々の三十三間堂なのに、仏像拝観は後回しにして庭撮影をしないと日が暮れてしまいそうな時刻になっていた。ダッシュでバス停へ向かい市バスに乗り込む。


▲可愛い一重の桜(品種不明)
▲枝垂れ桜スカスカ
▲ここもスカスカ
▲尚美館は相変わらず美しい


 ●三十三間堂(蓮華王院)

長寛2年(1164)後白河上皇の命により、平清盛が上皇の離宮「法住寺殿」内に創建した。離宮は木曽義仲の焼き討ちでほとんどを焼失、残った蓮華王院も鎌倉期に焼失したが文永3年(1266)に本堂のみ再建された。約120mの長大な本堂には中尊・千手観音座像と、会いたい人の顔が必ずあると言われる1001体の千手観音立像などが祀られている。
本堂南側に豊臣家遺構の築地塀(太閤塀)と南大門が残っている。豊臣家滅亡後、蓮華王院は家康により妙法院の管理下におかれた。

門前を通る機会はたびたびあるのに、拝観は約20年ぶり。何故こんなに足が遠のいていたのか自分でもたまげてしまう。あまりにも久々なので、改修したらしい拝観入り口の真新しさに驚いた。

とにかくまず日のあるうちに庭を見せて頂くことにした。するとどうでしょう。池周辺や朱塗りの門の前などに八重桜・枝垂れ桜がこぎれいにまとめられていてなかなか良いではないの。ソメイヨシノも咲き残っていてまだ十分楽しめた。あまり歴史はなさそう?な庭のためか散策する人は他にほとんど居なかったが、仏像鑑賞のあと一息入れて目を休めるのにちょうど良いかも。確か初夏にはツツジかサツキも見られるはずである。

三十三間堂という名は柱と柱の間の数が33あることに由来しているが、観音菩薩の変化する姿“33”にもちなんでいるとのこと。再建当時の外装は朱塗りで内部も極彩色だったというが今では想像できない。長々と建つ閉門まぎわの観音堂は、ひっそりと寂しげに見えてしまった。
本堂西側南端から弓を射て矢数などを競う行事「通し矢」が桃山時代頃から続いており、現在も新成人により毎年1月15日前後に行われている(ニュースで見た)。しかし今回は時間切れなので東側の庭だけ見て、南〜西側へ回ることなくお堂へ入ることにした。

ちなみに、南側にある南大門と築地塀(太閤塀)は秀吉の遺構だそうである。このあたりの地域が秀吉建立の方広寺大仏殿の寺域に組み込まれた際に造られたものだそうだ。
大仏はたび重なる天災や出火に見舞われ再建されるも、ついに昭和の再興はならず(最後の大仏は昭和48年焼失だとか。そんな最近まであったとは!)、方広寺自体も豊臣家滅亡後に有名な「国家安康の鐘」を残して家康に破壊されてしまう。秀吉の子・鶴松の菩提寺(今の智積院の前身)や秀吉が祀られた豊国社もまた…。

ひんやりとした堂内には、渋い黄金色を放つ千手観音立像の列がはるか奥まで続いていた。中央にふくよかなお顔の本尊・千手観音座像、他に風神・雷神像と二十八部衆立像も安置されていて、聞きしにまさる壮麗さ。どこまで見ても尽きないかのように豪華に並ぶ一体一体の細かい細工にはとにかく圧倒されてしまう。


▲庭の関山。枝がうねりまくり
▲朱塗りの東大門と紅枝垂れ桜
▲枝垂れ桜の画像ばかりですが

千手観音立像のうち124体は創建時(平安後期)のもので、その他は再興時(鎌倉中期)のもの。像の再興は、本尊・千手観音座像を手がけた湛慶運慶の長男)を中心とする慶派院派円派など、当時の日本を代表する仏師集団が参加して行われたそうである。今こうして拝することができるのは何ともありがたいことだ…と思いながらボーっと眺めてしまった。

その千手観音像の前と本尊の回りに配されているのが、千手観音の従者にあたる二十八部衆立像で、薬師仏の十二神将や不動明王の八大金剛童子と同じ類のものだそうだ。ブーツを履いた象頭の金色孔雀王像(コブラを食べるという孔雀を神格化したもの)など奇怪な姿の像が多くてギョッとさせられる。婆藪仙人像は思いっきりリアルな老人だし。
そんなところを見ているうち「もうすぐ閉門時刻ですよ〜」とアナウンスが流れてきた。やっぱり時間が足りなかった。すまじきものは朝寝坊…。仕方なく残りは早足で通り過ぎながら目に収めた。

ところで、この年(2007)の9月23日、三十三間堂の北門(拝観出口)と東大門(庭園奥の朱塗りの門)が、何者かにペンキのような液体をかけられるという事件が起きた。
両門は文化財指定は受けていないとは言え、卑劣極まりない愚行だと思う。この例に限らず、こういった事件の犯人は、被害を受けた建造物の歴史と文化の重みに押しつぶされバチが当たって蛸せんべいにでもなってしまえばいいのだ。

時刻は5時で、このあと行く予定だったすぐお隣の養源院と法住寺も拝観終了のはず。ちょこっと寄るだけ寄ってみたが、キッチリと門が閉められていて中をうかがうことさえできなかった。噂では今季の養源院の枝垂れ桜はかなり状態が悪かったとのこと。異常気象などに負けずに来年は盛り返して欲しいものだ。


腹ぺこだったので、近くの七条甘春堂「且坐喫茶(しゃざきっさ)」で甘味を頂いて帰ることにした。こちらも閉店時間は6時で、注文した抹茶パフェを食べ始める頃には最後の客になってしまった。味は特に印象がなかったが、古い民家のような町家の座敷で、骨董品のような陶器に盛られお膳で出てくるパフェ、雰囲気的にはかなりいいかんじでした。

今回の夕食は、蓮のアイコンでお馴染み、なぜか飽きずに続ける京のベトナム料理店シリーズ第4段、店名は「333(バーバーバー)」、場所は河原町三条上ルである。
まず烏丸御池駅からのんびり三条通の雑貨店巡りをして、石黒香舗の匂い袋と「ようじや」の「ゆず艶や」(ゆずのリップクリーム。いい香り。)を購入し、最後に「333」に到着。迷ったすえ、ごく普通に牛のフォーと生春巻きを注文した。フォーは牛肉半生、匂いのキツイ香草たっぷりで大満足。(少々難を言えば、スープのコクが微妙に足りなかったかも?)現地さながらのごちゃごちゃしたキッチュな店内に良くマッチしたお味でした。 〈2日目につづく〉


箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >> 八重桜 夢の共演・第1日目-1