箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >>皐月、睡蓮、花菖蒲・第2日目-3

 ●雲龍院

(雲龍院の歴史は2002年秋の項にあります)

泉涌寺の隣、奥まった地にひっそりとたたずむお寺。皇室との縁が深いながらも庶民的で身近に感じられる不思議さがある。紅葉を楽しませて頂いた前回から4年が過ぎて、やっと次の機会がめぐってきた。

見頃のサツキに可愛らしく飾られた参道の先が受付にあたる庫裏(寺院の台所)である。拝観者はここの玄関で呼び鈴代わりの板(?)を叩くのだが、照れ臭いなと思っているうちに後ろから来たカップルが叩いてしまった。すぐにお寺の方が見えて接客をして下さる。


▲参道と庫裏

もしかしてこの数年で穴場情報が広まったのだろうか、思ったより多くの人が(と言っても数組だが)拝観に訪れていたようだ。
本堂を参拝してから、泉涌寺七福神の五番にあたる大黒天像、通称「走り大黒」を見せて頂いた。前回は何故か案内して頂けず見落としてしまったのである。
台所に祀られているという話は噂で聞いていたが、そーっと覗いてみると庫裏と言うより現役バリバリの本当の台所だ。しかも目隠しの間仕切りは、通販で購入したうちの台所の衝立と同じではないか…。小さな箱にきゅうくつそうに収められた走り大黒さんのインパクトも負けてしまいそうである。

あとは自由に書院や客殿などを拝観した。各部屋ではそれぞれ違った角度からの庭園の光景を楽しむことができ、どこでも気に入った場所で抹茶を頂ける。庭園は背の低い松やカエデと苔の緑が美しい。サツキはまだ時期が早かったのか少し花付きが少なめだが、縁側に沿った長い帯状の刈り込みなど、独特の意匠を見せてくれていた。少し日が落ちて陰って来てしまったのが残念だったが、ゆったりと楽しむことが出来た。

終始、あたりは静かな空気に包まれていたが、毎年成人の日に行われる「京都泉涌寺七福神巡り」の時には多くの人でにぎわうらしい。その日にはもちろん大黒さんは台所ではなく本堂にお祀りされる。


次は寄り道程度にサツキを見せてもらおうと思い、雲龍院と同じく泉涌寺塔頭にあたる二カ所に寄ってみた。あまりきちんと拝観していないのだが、戒光寺は新選組から分派した御陵衛士の墓所があるので一応その歴史からちゃんと調べておくことにした。 〈つづく〉


▲一番奥の客殿の縁側
▲書院縁側(?)
▲角度を変えるとこんなかんじ

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