箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >> 花の命は長持ちで・第3日目-1
【第3日目】4月9日 墨染寺小野知恩院少々
 三条駅
  ↓(京阪電鉄)
 墨染駅
  ↓(徒歩)
 墨染寺
  ↓(徒歩)
 墨染駅  
  ↓(タクシー)
 勧修寺
 ↓(徒歩)
随心院
 ↓(徒歩)
小野駅
 ↓(地下鉄東西線)
東山駅
 ↓(徒歩)
知恩院
 ↓(徒歩)
東山駅
 ↓(地下鉄東西線)
烏丸御池駅
 ↓(徒歩)
ホテル
 ↓
京都駅


3日目は、偶然ガイドブックで発見した初耳の桜名所、伏見区の墨染寺から始めることにしました。(何故か今年から某ガイドブックに小さく載り始めたのですが、何か意図があってのことなのでしょうか)
墨染寺と組み合わせたのは、JR東海CM「そうだ 京都、行こう。」で華やかな姿を見せて世間をあっと言わせた(?)勧修寺と、そのご近所の随心院などです。



 ●墨染寺

貞観年間に藤原良房が孫の惟仁親王(清和天皇)のため深草に建立した貞観寺がもとである。のちに廃絶していたが、墨染桜の伝説に感じ入った豊臣秀吉が、姉・瑞竜尼の帰依していた日秀上人に寺領を与え、日蓮宗墨染桜寺として再興させた。その後、堂宇を縮小して当地に移転。
門前には元禄年間に設けられたという墨染遊郭がある。


▲本堂前の日蓮像

▲日蓮さんとたくさんの桜
▲墨染桜の若木
▲真っ白いけど墨染桜
▲同じく墨染桜

墨染寺は、謡曲などでも知られるという墨染桜の伝説にちなんで再興されたそうである。その伝説は、

平安時代前期、藤原基経の死を悼んだ歌人・上野岑雄(かんつけのみねお)が「深草の野辺の桜し心あらば 今年ばかりは墨染に咲け」 と詠むと、桜が薄墨色の花を咲かせた

というもので、その桜は「墨染(すみぞめ)桜」と名付けられ、地名も「墨染(すみぞめ)」 とされた。で、その地に秀吉が建てたのが「墨染桜寺(ぼくせんおうじ)」。今では「墨染寺(ぼくせんじ)」通称「桜寺」と呼ばれている。ちょっとややこしい。

京阪電鉄の墨染(すみぞめ)駅で下車、ごく普通の住宅街を少し歩くと両側をビルに挟まれた小さな山門がひょっこり見えてくる。どう見ても観光寺院的ではなく、地元のかた以外が訪れることは少ないだろうと思える。写真を撮るにも背景選びがちょっと難しいかんじ。

山門をくぐると満開のソメイヨシノが空を覆い尽くすように咲いていた。境内はかなり狭いとは言え桜密度はなかなかのものだ。あいにく曇り空のため写真では花の色が映えず淋しい感じになってしまった。
正面は「桜寺」の額を掲げた本堂、本堂前には手を付きだした凛々しい日蓮上人辻説法の像がある。
その右手、隣家の裏口(?)の木戸を背景に「墨染桜」の看板と小さな木があった。三代目にあたる若木だそうである。ソメイヨシノよりやや遅れて咲くということだが、すでに一重の白い花が咲き始めている。でも薄墨色には見えない…。白から次第に墨色を帯びてくるということらしい。微妙なんじゃないかという気がするがどうなのだろう。

かつて荒川堤の桜名所には「墨染桜」があったそうだが、これは同種なのだろうか? ちなみに、似た名前の「薄墨桜」と呼ばれる桜が新宿御苑やその他の地方にもあるらしいが、これらはすべて別の品種だそうである。

せっかく来たのだからと狭い境内を怪しげにうろうろして結構な時間を費やしてしまった。次の勧修寺へは交通の便が悪いのでいったん墨染駅へ出てタクシーで向かうことにした。



 ●勧修寺

(勧修寺の歴史は2005年晩春の項にあります)

タクシーを降りるとまず長い参道がとても華やか! 白壁沿いに満開のソメイヨシノと見頃開始の枝垂れ桜が折り重なるように続いていた。ソメと枝垂れが同時に楽しめる今年はとても運が良い。つい興奮してフラフラと何度か行き来してしまった。

▲山門 ▲ハイビャクシン ▲池の畔の枝垂れ桜

▲観音堂とソメイヨシノ

山門付近から中にもあちこちに桜が。観音堂周辺の桜に惹かれるようにして駆け込んでしまいそうなところを、気を落ち着けて、前回スルーしてしまった見どころのハイビャクシン勧修寺型灯籠臥龍の梅をチェックする。
樹齢750年のハイビャクシンは植物系宇宙人のような不思議な姿…。灯籠はその裾野の中に埋もれるように地味に立っていた。そこを通り過ぎて順路通り進む。

広い芝生の庭はのっぺりした印象だが、観音堂両脇を飾るようにたくさんのソメイヨシノが咲いている。フジ棚付近も小さな枝垂れ桜その他ピンクの蕾が可愛らしい。
勧修寺にこれほどたくさんの桜があるとは知らなかった。しかも他の桜名所とは比べものにならないほど静かでとてものんびりできる。のんびりしすぎてしまいそうなほどだ。「ここは穴場です!」と訴えても、たぶん今後も混み合うことは無いのだろう。

今回は池周辺は回らず、桜を充分堪能して次の随心院に向かった。  〈つづく〉


▲手前ピンクの蕾は品種不明
▲池に映る桜

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