箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >> 濃いも薄いも綾錦・第3日目-2

 ●妙覚寺

(妙覚寺の歴史は2006年春の項にあります)

風情ある紅葉庭園の画像をネットでいくつか見つけて、来てみようと思い立った妙覚寺。
春には清楚な枝垂れ桜が咲く山門付近も秋はちょっと寂しい。しかしこの山門は聚楽第の遺構だそうで、左右の長い板塀は「袖塀」といい、とても風情があって好きだ。その袖塀前には枝垂れの他に八重桜数本が植えられていて、晩春が楽しみである。(行ってきました2007年春に。そのレポは後日アップします)


▲本堂から見る法姿園

紅葉は、山門の正面奥に見える祖師堂の左、庫裏と本堂のまわりに集中している。外からでも楽しめるがやはりここは内部拝観を。予約制なのかと思っていたら普通に公開しているようである(のはずですが一応要確認)。
おそるおそる庫裏へ入ってみると、僧侶のかたがすぐに本堂まで案内して下さった。寺の簡単な解説のあと“ご本尊へお詣りしてもらえればお庭の写真は自由に撮って結構です”と言い残し去って行かれたのでさっそくカメラの用意を始めたら、もうそこにお茶とお菓子を持って戻って来られてるではないか。恥ずかしい思いをしてしまった。もちろん断じてご本尊をないがしろにしようとしたわけではないのですよ…。

本堂前庭園の「法姿園」は、正面の唐門へ向かう短い石畳の両側に形良くカエデが繁っている。苔の緑との対比が美しい。堂内から見る光景はとても印象的。余分な背景や喧噪に邪魔されない空間はとても街なかとは思えない。
この日の紅葉色付きは木によって全くまちまちで、苔の上には散り紅葉もはらはらと落ち始めていた。ちょっとまだ青葉が多いようだがそれもまた面白い。こういう色付き進行の年は滅多にないのではないだろうか。

「法姿園」とは、「おもしろや 散るもみじ葉も 咲く花も おのずからなる 法のみ姿」という古歌から名付けられたそうである。
ありのままの自然の姿・ものの本当の姿を私達は見失いがちである。しかし自然こそ宇宙であり仏そのものなのである。…というような意味だろうか?(全然全く自信なし)

祖師堂に向かうちょっと朽ちかけ風の回廊の窓から腕を伸ばすと、ギリギリ本堂と庭園を見下ろす写真が撮れた。その他あちこちの角度から撮ってみたが、厚い雲に覆われた悪天候のせいで黒っぽい画像ばかりになってしまって残念。

この間、拝観者は他にひと組だけで、後半はずっと独り占め状態で楽しませて頂くことができた。観光寺院ではないので境内に駐車場があったり周囲の街並みにそれほど風情が感じられなかったり(失礼)、弱点はいくつかあれど、見落とすのは絶対もったいない。主要観光名所をひととおり見終わったかたにぜひおすすめです。

次の妙顕寺はここから徒歩すぐ。


▲本堂
▲緋毛せんの上でお菓子が頂ける
▲同じようなアングルですが…


 ●妙顕寺

(妙顕寺の歴史は2006年春の項にあります)

こちらも時々ネット上で紅葉画像を見かけていたので妙覚寺とセットで来てみた。妙覚寺・妙顕寺コンビは観光寺院ではなく知名度も高くないけれど、なかなかどうして意外に良い味出しているのである。

まず本堂裏の庫裏へ行ってみると事情により内部拝観は休止中とのこと。書院には小さいけどいくつか個性の異なる庭があったはずなので(うろ覚え)残念だが、今回は境内の紅葉のみ見せて頂くことにした。


▲本堂西側

庫裏の前、本堂の西側にカエデが密集していてすごい色付きだ。堂々とした立派な本堂の欄干とからめて写真を撮るととても良いかんじである。カメラマニアっぽい人が二人ほど長時間粘って撮影していた。私もここでしばらく時間を過ごさせて頂いた。

境内には他に、祖師堂に当たる三菩薩堂、日蓮・日朗・日像の遺骨が安置された御真骨堂、鬼子母神が祀られる尊神堂などの建物があり、それらの周辺には桜のほうが多い。
カエデは本堂正面にある山門前の参道両脇に並んでいた。これが金糸でも混ぜたかのような鮮やかなオレンジ色でびっくり。本数は少ないながらその迫力には圧倒される。山門の新しい額も金ピカだし、門前は光り輝くような華やかさだった。

名残惜しいけれど今回の拝観はこれでおしまい。時間がないので特別公開中の宝鏡寺へ行くのは断念して帰路についた。

今期のまとめ。
3日とも終始暗い曇天ながら実際に雨に降られる時間は少なく、しっとりと艶を帯びた紅葉が見られて、なかなか良い旅になりました。
11月中旬までの堤タクシーさん情報では、「秋前半に気温の高い日が続いて紅葉色付きは遅れたものの、晴天が多かったため木の痛みは少なく、発色は京都各地でおおむね良好」とのことでした。
しかしその後も強い冷え込みが無いため、私が上洛した11月下旬でさえ進行の遅い木はまだ青葉でしたので、場所により青葉・黄葉・オレンジ・暗赤色・真っ赤・散り紅葉が共存というとても面白い光景が見られました。4年前の境内一面真っかっか状態も凄かったですが、各色織り混ざったグラデーションもそれはそれでとても美しいものでした。
遅い木の見頃はまだ続いていたようですので翌週末まで楽しめたに違いありません。

〈2006年秋の項終わり。2007年晩春の項につづく〉


▲回廊と勅使門
▲本堂の下から
▲本堂正面
▲蛍光色のような紅葉

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