箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >> 濃いも薄いも綾錦・第2日目-2

 ●霊鑑寺

承応3年(1654)、後水尾天皇が皇女の宗澄女王(浄法身院宮)を開山として創建した。以来、尼門跡寺院として皇女や皇孫女が入寺し「鹿ケ谷比丘尼御所」「谷の御所」などと呼ばれた。堂の多くは後西天皇の御所の一部を賜ったもので、本堂は徳川家斉の寄進によるもの。
御所人形など皇室との縁の深い寺宝が多く伝わり、後水尾天皇遺愛の名椿が30種以上植えられた池泉観賞式庭園がある。通常は非公開で、椿と紅葉の時季のみ特別公開される。


▲本堂と回遊式庭園

錦林車庫前バス停から閑静な住宅街をてくてく歩き、哲学の道を横切ってさらに進むと霊鑑寺に着いた。
石段の上にひっそりと立つ小さな山門は楚々として、特別公開中の看板がなければ気付かなかいぐらいの慎ましさである。公開最終日の日曜だというのに人が少ないぞ〜

山門をくぐり受付を過ぎると、高台の上の本堂と下の書院を繋ぐ回廊周辺の真っ赤な紅葉が目に入ってくる。あまり広くなく高低差のある境内全体を網羅するようにおもむきある鑑賞式庭園が広がっていた。石組みと灯籠と緑の中に小径のように参道があって一応回遊式になっている。

この緑は、後水尾天皇が愛したという「日光(じっこう)椿」「月光(がっこう)椿」「散椿」など30種以上もあるという椿の名木たちだそうである。「おそらく椿」という札を見て「自信ないけどたぶん椿」という意味かと思ったら、そういう名称の椿なのだそうだ。
しかし今は花の季節ではないのでどれがどれやら。つい紅葉に気を取られ、椿をしっかりとチェックするのを忘れてしまった。日光椿は小玄関脇にあるそうなので、山門を入ってすぐのところの大きな木がそれだったのかもしれない。京都市指定天然記念物に指定されており、樹齢300年になるそうだ。

椿と言えば… 北野白梅町付近にある地蔵院の「散椿」は花期が長く、同境内にある枝垂れ桜との共演が楽しめるというので気になっていた。「椿を見るなら霊鑑寺も忘れるなよ」と京都散策の先輩方が言われるので最近やっと椿全般に興味が出てきたところである。
椿の花は傷や汚れが目立つものが多く撮影が難しそうで敬遠していたけれど、機会があったらぜひまた鑑賞しに来てみよう。

庭園内の石段を登り本堂のある高台の上に出ると、本堂裏にもちょっとした庭があり、苔やうっそうとした紅葉の巨木(樹齢250年?京都一?)には山寺の風情もあって清々しい。

ひとまわりして元の書院へ戻り、ちょこっと内部拝観をさせて頂いた。書院の襖絵は狩野永徳狩野元信円山応挙というそうそうたる絵師によるものだそうだ。その他、歴代住職尼宮の愛玩したという人形など。「京都の文化財を守る会」ボランティアのかたがにこやかに、しかも規律正しく案内をなさっていた。気もそぞろに紅葉写真ばかり撮っていた自分をお許し下さい…

霊鑑寺を出て再度哲学の道を横切り、さらに白川通りを越えて真如堂の東参道へ。 〈つづく〉


▲右下の緑が日光椿???
▲書院から見た庭園
▲同じようなアングルですが…

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