箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >> 躑躅、石楠花、杜若・第1日目-2

 ●妙満寺

日蓮の教えに感服し天台宗から改宗した日什大正師が、康応元年(1389)六条坊門室町に建立した。応仁の乱などの兵火や比叡山僧徒による法難に遭い寺域を転々としたが、天正年間に寺町二条に移ったのちは「寺町二条の妙満寺」と長く親しまれた。昭和43年に現在の岩倉の地に移り今日に至る。
歌舞伎などで知られる「紀州道成寺の安珍・清姫の鐘」が納められており、毎年鐘供養が行われる。本坊の「雪の庭」はかつて「雪・月・花」の三名園と称されていたうちの一つ。

▲山門周辺にツツジがたくさん ▲池にはカキツバタも

本数はまばらだけど国際会館駅から京都バスが出ているし距離も意外と近いので、思ったほどの僻地ではないようだ。
バス停からほんの少し歩くとすぐ色とりどりのツツジの群れが見えてくる。門前はちょうど満開見頃! 杜若も咲き始めてとても絵になっていた。一年で一番華やかな時期なのだろうに観光客の姿はまばらで、地元の家族連れがちらほら居るだけとはもったいなさすぎだ。

昭和48年建立の意外と新しいインド風仏舎利大塔が立つ境内は、門前の華やかさに比べてちょっと閑散とした感じだが、まぁそれはいいとして堂内拝観に向かった。閉じたままの戸をそっと開けて入ると(ドキドキ)、ちゃんと拝観業務を行ってるっぽい窓口があり僧侶のかたが直接受け付けて下さった。
で、まず拝観する「雪の庭」は雪が似合うのでその名が付いたらしいが、「たいがいの庭は雪が似合うんじゃないか?」といつも思ってしまう。

奥の資料室へ続く廊下に、イラスト版日蓮上人の生涯が展示してあった。(竜口の法難のシーンで「ハチだ!」と叫びたくなった…と言っても「北条時宗」ファンもしくは北村一輝さんファン以外には理解してもらえまい)
真新しい資料室内には、この寺のウリであるあの有名な道成寺の鐘などが展示してある。大丈夫か?と思うほど普通にさりげなく置いてあるのでびっくり。その鐘に、備え付けの筆で祈願ごとを書いて浄財と共に納めるようになっていたので試しに書いてみた。何を祈願しようか迷って、今回は『芸事成就』で行ってみたけどどうだろうか・・・。

紀州道成寺の鐘がここにある理由=嫉妬に狂った清姫が安珍もろとも焼き焦がしたという伝説の鐘から数百年後、道成寺では二代目の鐘が作られたが、相次いで災厄が起こったため清姫の祟りと恐れられ寺の裏に埋められていた。のちにそれを聞いた根来攻めの際の秀吉軍が掘り起こし、京都へ持ち帰って妙満寺で供養すると怨念は解かれたのだという。以来、毎年鐘供養が行われ・・・って、何故掘り起こしてまで京都へ持ち帰ったのだろう?怖くなかったのか?そして何故妙満寺に??
そんな謎の鐘は平成16年に約400年ぶりに道成寺へお里帰りし2ヶ月近く滞在してきたそうだ。わかりずらいがスケールのでかい話ではある・・・。

次はひとつ隣の幡枝バス停から京都バスに乗る。時刻表を勘違いしていて時間ギリギリになり、滑稽なほど猛烈にダッシュして無事乗り込んだ。深泥池バス停で下車してしばらく歩き大田神社へ向かう。
深泥池氷河期以来存在している(!)という小さな池で、天然記念物に指定された貴重な水生植物や動物が生息しているらしい。京料理に使われるジュンサイも採れるとか。バスから一瞬眺めてみたけれど地味な普通の池にしか見えないかも・・・。


▲雪の庭

▲門前のツツジ

▲仏舎利大塔とツツジ
渾身のアングル!!



 ●大田神社

古くは恩多社などと呼ばれており、現在は上賀茂神社の摂社の一つ。賀茂における最古の神社で、元は賀茂氏以前の氏族が祀っていた神を、のちにこの地で栄えた賀茂氏が崇敬したとする説もあるが、鎮座の由来・年代などは不明。祭神として天鈿女命(と猿田彦命)を祀る。
境内にある大田の沢には、平安時代から生息し藤原俊成の歌にも詠まれて名勝となっていたカキツバタ群落があり、現在は天然記念物として保護育成されている。


静かな住宅街の中にポツンと建つ小さな神社。夕方にもかかわらず様々な世代の人々がわらわらと杜若見物に集まってきている。杜若に興味持つ人って結構居るもんだなぁ〜と感心してみたりして。

鳥居横の池入り口に看板があって、杜若保護には莫大なお金がかかります、ぜひ常識的な金額であなたの清きご寄付を!みたいな内容が力強く書かれていたので、それなりの寄付をさせて頂いてから池へ向かった。
鳥居に近い一角は花は無し(蕾?)だが、奥へ行くと少し地味ながらなかなか良く咲き揃ってきていて清楚で可愛らしい。事前の開花情報は「見頃開始」ということだったのでまだまだ満開前なのだろうけど、これ何分咲きなのだろう? 周囲の人たちも花マニアでない限りあまりわからないっぽい感じのようだ。後日、堤タクシーさんのサイトで確認すると、この日の段階でほぼ7分咲きということだった。なるほど、言われてみれば・・・。


ここで初日の拝観は全て終わりで、上賀茂神社前バス停まで買い物をしながらのんびり歩いて行った。上賀茂神社にはこの時期あまり花はないようだが、背が高いわりに目立たない桐の木が目立たないグレーっぽい花を付けていた。
上賀茂神社前バス停発のバスに乗り、北山駅前で地下鉄に乗り換えてホテルへ向かった。夕方の市街行きのバスは路線によっては渋滞にはまるので、はなから地下鉄に乗り換えておくほうが好きである。


▲遠目ではかなり地味な杜若群落
(アップで撮るのを忘れました…)
夜は京都関係お友達ミニオフ会を芭雨さん・KEIJIさんに祇園で開催して頂いた。迷わずたどり着けたのが不思議なほど暗い路地奥にある妖しげな空間にひょっこり現れる食事処「おいしんぼ ぽっぽ亭」。KEIJIさんのお仕事仲間(且つ某歴史上の人物の末裔に当たるという)K嬢も交えて、日頃のストレスも忘れるマッタリほっこりした時を過ごすことができました。お三方、ありがとうございました〜。 (翌日につづく)

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