箱庭的世界 >> 京都単独煩悩紀行 >> 極寒の春雨に煙る桜・第2日目-2

 ●北野天満宮

太宰府に左遷された菅原道真の死後、都で相次いで起きた災害を人々は道真の崇りと考えた。天神の神託により、霊を鎮めるため天慶5年(942)最鎮らが祠を建て、のちに藤原師輔が神殿に改めたのが起こりといわれる。以後民間に天神信仰が広まり、秀吉の北野大茶会が開かれ秀頼により社殿ほか多くの建物が建てられた。近代に入り、天神は祟り神ではなく学問の神とされるようになった。梅の名所としても知られている。

神社の歴史は深くて難しい。お寺以上の重みを感じてしまう。
本殿裏の北門からして既に異次元への入口感が漂っている。さすが天神様。全国に天神は1万以上あるというし、さぞや当初は「もの凄い祟り」と噂され恐れられていたに違いない。いつごろ霊は鎮められたのだろうか。
梅の時期は過ぎてしまったが、本殿裏あたりと中門の南側にかろうじて少し残っていた。唐破風+千鳥破風を乗せた独特な中門(三光門)(写真一番上)は後西天皇筆の額が掲げられ見事な彫刻で飾られている。拝殿の造りも重厚感たっぷり。

途中でいったん上七軒のほうへ出て天神堂の焼き餅を買いに行ったら、なんと店は閉まっていた。食べられないとなるとなおのこと食べたいぞ焼き餅! 境内に戻って黒光りする牛さんの像を撫でたりして戯れてから、ほとんど散ってしまった梅園を横目に南下して今出川通に出た。結局、太閤井戸北野大茶湯之址を見るのをすっかり忘れていたことにあとから気付いたのだった。


今出川通へ出たのは、とようけ茶屋でお昼にしたかったからである。行列のできる店として知られているそうなので11時半前に行ってみたのだが・・・甘かった。一体どこからこんなに大勢並びに来るんじゃい! 諦めて第二候補のTO-FU CAFE FUJINOに入ることにした。


▲中門近くの梅
▲福部社(?)と梅
▲牛さん

 TO-FU CAFE FUJINO

「京とうふ藤野」が開いたカフェ。豆乳ベースのデザートや、豆腐・大豆を使ったオリジナリティあふれるメニューが揃っている。おぼろ丼藤野プレートセットなどが人気。
上京区今小路通御前通西入ル TEL:075-463-1028 詳細はHPで

藤野プレートセットを注文したのだが、出てきたお皿を見てびっくり。一口サイズのありとあらゆる大豆料理がお子様ランチのように並んでいる。男子には「チマチマ出さないでがっつり食わさんかい!」と言われかねない可愛らしさではないか。思わず微笑んでしまいそうになったが、大豆料理を充分堪能できるし見た目より意外にボリュームもあるし、なかなか良いランチタイムを過ごせた。ほろ苦く香ばしい黒豆コーヒーが気に入ってお土産に買ったのだが、豆好きでない人にはどうだろう、微妙かも(^^;)

食後は、北野天満宮前バス停から頻繁に出ている市バスに乗り、堀川今出川で乗り換えて二つ目の堀川寺之内で下車、妙蓮寺へ向かった。一日観光券が使えるし本数も多いので乗り換えたのだが、今出川大宮あたりから歩いても充分行ける距離である。雨はほぼ止んでいたがとにかく寒い!



 ●妙蓮寺

永仁2年(1294)日蓮聖人の遺命を受けた直弟子・日像上人を開基として創建される。旧仏教側により襲撃されるなど変遷を経て、現在地には秀吉の聚楽第造営の際に移転された。
鐘楼・宝蔵以外は天明の大火後の再建だが、長谷川等伯一派の金碧障壁画本阿弥光悦筆の立正安国論など焼失を免れた寺宝が多く残されている。

今回訪れようと思うまではあまり知らなかった妙蓮寺だが、意外に見どころが多く面白いお寺である。京都観光一日乗車券の拝観割引券が使えるということにも気づいた。

山門は御所から移されたという格調高いもの。門をくぐるとまず目の前にスカートをはいたような不思議な形の建物があるがこれは鐘楼で、袴腰型という貴重な珍しい形式のものだそうである。どこから登るのか?
本堂前には有名な御会式桜があった。日蓮聖人が入滅した10月頃咲きはじめ、お釈迦様生誕の4月8日頃まで見頃が続くらしい。凄すぎる。疑うわけではないが近寄ってよく見てもやはり本当に桜のようだ。桜は他にソメイヨシノも多い。

境内には人の姿は全く無い。奥の庫裏へ向かいおそるおそる拝観をお願いしてみると、快く案内して頂くことができた。まず十六羅漢石庭を見る。聚楽第から移したという臥牛石を中心とする様々な石が配された庭で、桂離宮の造園を指示した僧の作だそうだ。「聚楽第にもきっと何かしら石庭があったのでしょうね?」とつい尋ねてしまったがそれはやはりはっきりしないらしい(^^;) それから幸野豊一作の四季の襖絵を丁寧に解説して頂いた。ごく近年の作品で、蓮や鹿などが生き生きと描かれている。(長谷川等伯一派の障壁画拝観は予約制)


▲本堂と御会式桜
▲十六羅漢石庭

次に何気なく中庭(?)に咲いている妙蓮寺椿。連歌師として有名な宗祇が賛したという名花だそうである。特徴を説明して頂いたが割と普通の椿に見えてしまった・・・。
書院内を自由に見せて頂いてから妙蓮寺をあとにした。あとで知ったのだが本阿弥光悦筆の立正安国論も残されているとかでびっくり。地味ながらなかなかに奥の深いお寺だった。

(つづく)


桜に覆われたどなたかの像
(日蓮聖人??)

妙蓮寺椿

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