| 箱庭的世界 >> 北条時宗 >> 謎の寺「正泉寺」紀行-2 |
| ●大龍山 正泉寺(千葉県某市) |
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この経文「血盆経」により女人成仏が可能となり、以降「日本最初女人成仏血盆経出現道場」として女性の信仰を集めた。血盆経の出現を描いた縁起絵や板木などが千葉県指定文化財(有形民俗文化財)となっている。 また、光格天皇(強引に言えば皇女和宮の祖父!)の祈願所でもあったという。 |
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2003年夏、北条時輔ファンの芭雨さんがはるばる見学にいらっしゃる予定だったのですが、諸事情により無念のキャンセル。よって単独で下見した時のレポートを書くことにします。 バス通りに近い南側から樹木に覆われた狭い境内に入ると、やや開けた所に庫裏・本堂・地蔵尊像などが見えてきます。 東北行脚と聞くと北条時頼パパの廻国伝説が必然的に連想されますね。東北を廻国していたという説もあるそうですし、父娘で行脚していたのか?と妄想してしまいますが、姫の没後8ヶ月でパパも亡くなっていますのでさすがにそれは無いのではないかと。パパ晩年まで廻国していたわけではないでしょうから。(確証全く無し) はたまた、弟・時輔も同じ5月生という点から「桐姫の生年の記録が誤りで実は時輔と同年生まれ、つまり双子だったのでは!?」などという妄想まで膨らみます(by芭雨さん)。双子の一人として引き離され別々に育てられたのでは?とか、実は姫の姿をしていても全くバレないほどの美少年だったのでは!?とか(以下きりがないので略)
新本堂には「丸に三つ鱗」の紋が描かれていました。惜しい!北条氏の三つ鱗じゃないのか…。 本堂の前に地蔵尊像がありましたが、本尊の延命地蔵尊は秘仏になっているそうです。大きさは2.5cmほどの小さな仏様で、元は北条時頼の兜の前立だったものを桐姫に持仏として授けたのだとか。おお!これは時宗や時輔の目にも触れたことのある地蔵様なのですね。お目にかかってみたいものですが…秘仏ということで残念。 地蔵尊像横には鐘楼(大晦日には市民が撞くことができます)を上に乗せた小さな楼門があり、その向こうは樹木に挟まれた細長い参道が続いています。緑の香りが清々しい参道沿いにはいくつかの石碑が立っていますが、私にはほとんど読めません(^^;) 伝説の大うなぎの塚もあるらしいのですがよくわかりませんでした。
参道の入口近く、公園を背にした場所に桐姫(法性尼)のお墓がありました。同じ市内に長年住んでいて今まで気づきもしなかった姉上のお墓。HPで下調べしていなければ見過ごしていたかもしれないほどひっそりと立っていました。何か文字が読めないかと近寄ってみましたが、年月を経て風雨に削られた石肌…梵字はあるのですが当然読めません。が、 寺には桐姫の舎利骨も安置されているとのことです。ううむ、見てみたい…。本堂内部拝観やご住職のお話をうかがうなどもお願いしてみたいところなのですが、それは大変ご迷惑になるようです。時輔ファンの皆様、万が一拝観させて頂く場合は境内を静かに歩くのみに致しましょう。 |
![]() ▲本堂前のあじさい ![]() ![]() ▲左:地蔵尊像 ▲右:記念碑の一部(読めます?) ![]() ▲楼門(鐘楼) ![]() ▲桐姫(法性尼)の墓所 ![]() ![]() ▲左:本堂屋根の丸にミツウロコ ▲右:墓所横の灯籠(?)下のミツウロコ ![]() ▲参道入口(左端が墓所) |
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●血盆経について 昔、女性は穢れ(ケガレ)のため死後は成仏できずに血の池(血盆)地獄に堕ちるとされていました。血盆経は女性を救済し成仏を可能にするという短文の経典です。 古代には女性の穢れは問題視されていなかったそうですが、陰陽道の影響(!)によって穢れ観が広まり、中国から日本へ室町時代頃までに伝来したと考えられる血盆経が民間に浸透していったようです。複数の宗派で血盆経信仰が見られましたが、曹洞宗においてはこの正泉寺が中心的寺院であり多くの女性の信仰を集めていたそうです。正泉寺では「日本最初女人成仏血盆経出現道場」と掲げていますが、お経が沼から出現したのが日本最初、ということなのでしょうか。最初で最後だったりして?(^^;) 正泉寺の血盆経縁起(また寺号の由来)は、前身である法性寺開基の桐姫(法性尼)の霊が村娘に取り憑き「血盆地獄から救って欲しい」と告げたことから始まっていますが、他の書物によると法性寺にはそれとは別の古い伝説も残っているそうです。つまり正泉寺が江戸中期頃から血盆経信仰を広め始める際に、桐姫がらみの新しい縁起が作られたらしいというのです。 さて、女人成仏とは裏返せば女性差別そのものであり、現在では血盆経信仰は各寺院でほぼ廃れてしまいました。とはいえ、今日の女性の抱える社会的・家庭的・身体的問題などからの救済のために心の支えとしてあり続けるお寺であって欲しい、と願わずにはいられません。 |
〈姉上墓所・謎の寺「正泉寺」紀行 おわり〉